ハートリボン運動参加校「広島市立大州中学校」の取り組みをご紹介いたします

広島市立大州中学校では、いじめゼロの取り組みを毎年行なっており、今年度はハートリボン運動参加校として、ハートリボン運動を取り入れたいじめゼロの取り組みを進めています。以下に、昨年度の取り組みをご紹介いたします。

大州中学校生徒会の取り組み

昨年度、生徒会総務(=他の学校の執行部にあたります)は、生徒総会で生徒会活動方針の柱の一つとして「いじめを起こさない学校をめざす」をかかげました。新しく生徒会総務役員となったメンバーが、生徒会としていじめに取り組む意欲を示し、総務全員一致で取り組むことになりました。いじめとは何かあらためて考え、いじめを起こさないための取り組みを具体的につくっていきました。ちょうどこの年、広島市全体の中学校の代表が集まったいじめ防止サミットも開かれ、他校の生徒と交流したことも取り組みの刺激になりました。

<6月:生徒総会> 活動方針として「いじめを起こさない学校をつくる」を提案、可決。

<7月:生徒朝会> 生徒会総務が、いじめをしない取り組みをすることを、全校生徒にアピール
※アピール(副会長2名):全校生徒にいじめは私たち全員が考えることだと伝えました。
-----アピール内容-----
「6月の生徒総会で、今年のスローガン・活動方針として、私たちは、「いじめを起こさない学校」をめざすことを決めました。あれから、私たち総務は、大州中学校のみんなが一緒にできることは何かを考えてきました。まずは、いじめとは何かをはっきりさせようと考えました。
 

  • いじめとは…暴力を使うこと、友達を暴力で傷つけること
  • いじめとは…暴言を使うこと、友達を暴言で傷つけること
  • いじめとは…悪口や陰口をいうこと、友達の悪口や陰口で傷つけること
  • いじめとは…冷やかして楽しむこと、友達を冷やかして楽しむことで傷つけること
  • いじめとは…いじって楽しむこと、友達をいじって楽しむことで傷つけること
  • いじめとは…仲間はずれにすること、友達を仲間はずれにして傷つけること
     

いじめに共通することは、「友達を傷つけること」だと考えました。想像してみてください。
今、目の前に、いじられキャラの友達がいます。いつもあだ名でいじられています。でもその友達が、表面的には、 「笑っていても」、「一緒に楽しんでいるように見えても」、「嫌がっていなくても」、「心の中では傷ついてつらい思いをしている」かもしれないと…。

ここまで考えているうちに、ふと、自分の行動を振り返りました。私も、自分では気づかないうちに、友達のことを傷つけているのかもしれないと…。私自身も「いじる」ことや「いじられている」ことに慣れて、気づかなくなっているような気がしました。私たちはみんな、「いじめられることを不安」に思っています。そして、もちろん、「いじめはいけない」、「いじめはしたくない」、とも思っている人がほとんどだと知っています。ここにいる「みんな」、ここにいる「一人ひとり」が、友達が傷ついていることに気づくことが、いじめをゼロにすることにつながるのではないかと考えました。

私たち総務は、夏休みに、「いじめ防止サミット」に参加してきます。これは、広島市の中学校の代表が集まり、いじめについて話し合う会議です。大州中のいじめ防止の取組や状況について報告し、他の中学校と交流します。9月には、大州中学校生徒会として、生徒会目標「いじめゼロ」を掲げます。クラスとして、一人ひとり、いじめをしない、させない宣言を作ろうと思います。
代議員会で提案しますので、一緒に考えましょう。よろしくお願いします。

<8月:代議員会 いじめゼロ宣言の取り組みを提案>(原案は別紙)

<9月:生徒朝会 生徒会総務全員が一人ひとりのいじめゼロ宣言を発表>
※まずは、生徒会総務自らが、いじめをしないという思いをみんなに伝えました。
-----発表内容-----
私たちは、夏休みに、広島市全体でおこなれた「いじめ防止サミット」に参加しました。そこでは、他の中学校のいじめの取組や大州中のいじめ防止の取組について交流しました。
私たちは、大州中学校の取組として、次の4つのことを報告しました。
 

  • 1つめは、生徒会の今年の活動方針にかかげ、全校で決めたこと
  • 2つめは、7月の朝会で「いじめ防止アピール」をしたこと
  • 3つめは、2年生の「いじめ追放キャンペーン」で、名札にリボンを付け「いじめをしない」と宣言していること
  • そして、生徒会としてこれから取り組む「いじめゼロ宣言」について報告をしました。
     

この中で、特に「2年生が行っているいじめ追放キャンペーン」は、他の多くの学校の人たちから注目を浴び、自分たちの学校でも取り入れたいと言われました。他の中学校も、いじめ防止について本気で取組んでいました。あらためて、みんなで取り組むことの大切さを強く感じました。

9月の生徒会目標は「いじめゼロ」を掲げました。先日の代議員会では「いじめゼロ宣言」の取組について提案しました。これは、大州中学校の生徒一人ひとりが、いじめをしない、させないという思いをことばにして宣言する取組です。代議員から提案されたら、一人ひとりでいじめゼロに向けた思いを、宣言用紙に書いてください。みんなが書いた宣言用紙を、クラスごとに一枚の大きな紙に貼ってまとめます。さらに、クラスごとの大きな紙を学年でつなげていき、一つにまとめます。これを「いじめを起こさない大州中学校のシンボル」として掲示します。協力よろしくお願いします。

まずは、私たち総務一人ひとり、今日、この場で、「いじめゼロ宣言」を宣言します。聞いてください。
( 私は、いじめをしません。友だちをいじめで悲しい思いにはさせません ) 生徒会長  
( 僕は、ともだちを大切にします。いじめを見たらとかならずとめます ) 副会長  
( 人の思いを分かる人になります。 ) 副会長  
 以下、書記長、代議書記、生活委員長、生活書記、厚生委員長、厚生書記、図書委員長、図書書記、部活代表、放送局長とつづく。
(全員で)「私たちは、いじめゼロを目指します!」ありがとうございました。

<10月:生徒朝会 代議員(各クラス代表)がクラスのいじめゼロ宣言を発表>
※各クラスのいじめゼロ宣言をみんなの前で発表し、いじめゼロの思いを共有しました。
-----発表内容-----
(総務):みなさん、いじめゼロ宣言に協力ありがとうございます。
1年 159名、2年 163名、3年 141名、全クラス、全学年の 463名の「いじめゼロ」宣言が集まりました。私たちは、生徒一人ひとりが自分の言葉で書いた、一言一言を、大切にします。
葉っぱは代議員のみなさんによって3本の大きな木になりました。では、今から各クラスで決めた「クラスのいじめゼロ宣言」を発表します。
(各クラス代議員) いじめゼロ宣言発表
(全員で)「私たちは、いじめゼロを目指します!」
(総務)今、代議員が手にしている3本の木を「いじめを起こさない大州中学校のシンボル」として掲示します。ありがとうございました。

<10月:掲示 廊下掲示、文化祭での展示>
※一人ひとりの言葉でいじめをしない決意が書かれており、表現すること、人の言葉を読むことで、みんなでいじめを許さない思いを共有し、いじめ防止につなげました。