令和4年度、小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は732,568(前年度681,948件)、児童1,000人あたり57.9件(前年度53.3件)にもなり、いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態の発生件数は1,306件(前年度923件)ありました。いずれも、前年より増えて、3年連続増加で過去最多となっています。
いずれにしても、統計データの数字は氷山の一角であり、多くの子どもたちがいじめで辛い思いをしている現実があります。私たちは、社会として大人として、子どもたちを救うためにできることを考え行動しなくてはと思います。
子どもが、まず初めに相談するところは学校の担任教師になります。
いじめの加害者が存在すると思われる環境で相談することは、見つかったらもっとひどいことをされるのでは?と考え躊躇します。
仮に相談することが出来たとして、学校で解決できなかったとき、子どもは頼る場所がなくなってしまうのです。
真っ先に保護者に相談できれば良いのですが、子どもは保護者には心配をかけたくないと相談しないことが多く、頼ってきたときには問題が大きくなっている可能性があります。
最終的に保護者にも頼らなければ、より悪い事態へと進んでしまいます。
私たちはこの現状を止め、みんなで子どもたちを救う方法を考える必要があります。
・冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる:56.9%
・軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする:17.0%
・仲間はずれ、集団による無視をされる:10.6%
・嫌なことや恥ずかしいこと、危険な ことをされたり、させられたりする:10.4%
・金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする:4.7%
・ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする:6.2%
・金品をたかられる:1.4%
・パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる:8.7%
小・中学校及び特別支援学校においては、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多く、続いて「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が多い。
高等学校においては、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多く、続いて「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」が多くなっている。
いじめの認知件数が減少する中で、「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる。」の件数は全体で24,678件で、引き続き増加傾向にある。(H26:7,898件、H27:9,187件、H28:10,779件、H29:12,632件、H30:16,334件、R元:17,924件、R2:18,870件、R3:21,900件、R4:23,920件)
・いじめ:4,463件(1.3%)
・いじめを除く友人関係をめぐる問題:45,972件(13.3%)
・教職員との関係をめぐる問題:10,283件(3.0%)
・学業の不振:52,547件(15.2%)
・進路に係る不安:1,581件(0.8%)
・学校のきまり等をめぐる問題:6,845件(2.0%)
・転編入学、進級時の不適応:13,981件(4.0%)
・家庭の生活環境の急激な変化:24,952件(7.2%)
・親子の関わり方:42,970件(12.4%)
・家庭内の不和:3,483件(1.8%)
・生活リズムの乱れ:79,638件(23.0%)
・あそび、非行:11,622件(3.4%)
・無気力、不安:111,631件(32.2%)
・不安・抑うつ:80,192件(23.1%
・障害(疑い含む)に起因する特別な教育的支援の問題:24,130件(7.0%)
・個別の配慮(障害以外)の問題:22,967件(6.6%)
(※文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」令和6年10月31日より)